年縞に刻まれていく地球の歴史 。その瞬間を水中カメラで記録したい!
年代の「世界標準ものさし」として知られる福井県水月湖の7万年の年縞に、新たな地球の歴史が刻まれる瞬間を目撃しましょう!
サポーター
67人
募集終了
このプロジェクトは、までに目標金額の¥1,700,000が集まれば成立します。
■世界のレイク・スイゲツ!
福井県の水月湖(すいげつこ)をご存知でしょうか?
ウィキペディアの日本語版に「水月湖」という項目はありません。しかし、英語版では「Lake Suigetsu」という見出しで詳しい記述があります。ロシア語版とフィンランド語版にも登場します。福井県の小さな湖「レイク・スイゲツ」は、世界の地質学者や考古学者にその名を知られた巡礼地なのです。
水月湖が特別なのは、湖底にたまる泥に秘密があります。「奇跡」と呼ばれることすらある、本当に特別な泥なのです。
2018年の9月にはなんと! 水月湖の底の泥を展示するための博物館までオープンしました。まだ開館から1年も経っていませんが、すでに5万人以上の方が来館されています。
また、水月湖の泥を題材にしたブルーバックスの書籍『人類と気候の10万年史』は、2017年の講談社科学出版賞を受賞し、3万部以上を売り上げるベストセラーになりました。
暗い湖底にたまる単なる「泥」の、何がそこまで特別なのでしょう。
じつは水月湖の底の泥は、まるでミルフィーユかバウムクーヘンのような、薄い層になっているのです。
水月湖の底には、春から夏にかけては黒っぽいプランクトンの遺骸、秋から冬にかけては白っぽい鉄鉱物がたまります。また湖底に酸素がないため、泥をかき乱す生物もいません。このため、1年に1枚の非常に薄い地層が、ほとんど乱れることなく規則正しくたまっています。
1年に1枚ずつできてゆく地層の縞模様。これを地質学の用語で「年縞(ねんこう)」と呼びます。水月湖の底には、年縞が厚さにして45メートル、時間にすると7万年分もたまっているのです。
これほど分厚く連続した「年縞」は、世界でも水月湖でしか見つかっていません。
■年縞はどう科学に貢献したか
見た目に非常に美しい(と私は思います!)年縞ですが、いったいどのように科学に貢献したのでしょうか。
私たちの研究グループは、水月湖の底にある7万年分の年縞をすべて数え上げました。5年にわたる地味な作業でしたが、そのようにして突き止めた縞の「枚数」は、過去何万年もの時間をはかるための最も正確な「ものさし」として世界に認められました。
そして2013年からは、水月湖のデータを中心部分に含んだデータセットが、世界中の研究者によって「世界標準の年代目盛り」として利用されているのです。
水月湖の年縞の価値は、それだけではありません。年縞は「ものさし」であると同時に、天然の「年代記」でもあるのです。
年縞の中には、植物の葉っぱや花粉の化石、大陸から飛んでくる黄砂、火山灰など、いろいろなものが含まれています。これらはすべて、過去の地球の環境や災害の歴史について知るための貴重な手がかりになります。
水月湖の年縞に含まれる花粉の化石(顕微鏡画像)
こうした手がかりを丁寧に分析していくことで、水月湖の周辺で過去に起こった出来事を、きわめて詳細に知ることができます。
いま、地球温暖化や水害の増加など、未来の環境をめぐる不安が取り沙汰される時代になっています。未来のことをきちんと考えていくために、過去について正確な情報を手に入れることは、これからますます重要なことになっていくでしょう。
水月湖はそのためのもっとも貴重な情報源として、これからも輝きを増していくに違いありません。
■今回のプロジェクトで何をめざすのか
そのように貴重の水月湖の年縞ですが、水月湖の底で年縞がじっさいにできていく様子を目撃した人はいません。水月湖は水深が45メートルもあり、酸素がなく光も届かない死の世界です。湖底の水は強い酸性のため、スキューバを使って湖底に潜ることもできません。
しかし、「季節ごとに違う物がたまる」からには、水月湖の湖底は「季節ごとにちがう色をしている」はずなのです。私たちは、その様子を見てみたいと思いました。
そこで2017年から2018年にかけて、数ヵ月に1回「水中ドローン」を沈め、湖底の様子を観察しました。すると、夏の湖底と冬の湖底は実際に違う色をしていました。
夏(左)と冬(右)の湖底の様子。違う色をしている。
さらに面白いことも分かってきました。台風の翌日の湖底を観察すると、洪水で運ばれた泥水が沈殿して、まるで雪景色のような美しい光景が広がっていました。
水月湖の泥はたしかに、季節の移ろいと災害の両方を「記録」していたのです!
しかし、私たちが湖底を観察できたのは、わずかに片手に余るほどの回数でしかありません。湖底で本当は何が起きているのか、私たちはそのすべてを目撃したいと強く思うようになりました。
ときどき水中ドローンを沈めるのではなく、湖底に据え付けることのできる本格的なロボットを開発し、湖底の様子を1年間(装置の耐久性が許すならそれ以上の長期間)にわたって、連続的に撮影したいのです。
7万年の歴史を刻んできた水月湖。その湖底に歴史が刻まれていくまさにその瞬間の、世界で最初の目撃者になってみませんか?
関連情報
※本プロジェクトは、「寄附型」になります。ページ下部の「よくある質問」に、寄附型プロジェクトに関する一般的な注意事項も記載させていただきますので、必ずご確認の上、お申し込みください。
お知らせ
【本プロジェクトの方法】
湖底には太陽の光が届かないので、人工的な照明が必要です。しかし照明を使いすぎると、光合成が可能になって藻が繁殖するなどのトラブルが予想されます。そこで1時間に1回、ごく短時間だけ照明をオンにして、湖底の様子を撮影します(撮影に必要な電力は、湖面にブイを浮かべて太陽電池から供給します)。そうすることで、1日あたり24コマの写真を撮ることができます。
これは、標準的な動画の1秒間のフレーム数におおむね相当します。つまり、1日を1秒に縮めて見ることができるのです。
これを365日間続けると、365秒、つまりおよそ6分の動画になります(参考までに、このペースで7万年をカバーするには、およそ1年間流れ続ける動画が必要です)。その動画には、季節によって徐々に色を変えていく湖底や、台風の後の濁り水、岸から落ちてくる木の葉など、湖底に刻まれていく「事件」のすべてが映っていることでしょう。
よくある質問
- 1年後に、できあがった動画を見ることはできますか?
- 動画はどのような研究につながるのですか?
- 「寄附型」プロジェクトとは、どのようなものですか?(枠組み/個人情報の取り扱い/領収書の発行主体など)
中川毅
立命館大学
古気候学研究センター
教授/センター長
研究内容
古気候学、地質年代学
自己紹介
過去に起こった気候変動を、「当時生きていた人の視点」で復元することをめざしています。そのために年縞(ねんこう)と呼ばれる特殊な地層と、その中に含まれる植物の化石を分析しています。 研究のためにオリジナル実験装置を発明するのは趣味を兼ねています(なので、無駄な完成度を追求しすぎると言われます)。
プロジェクト数
1件
リターン
¥1,000
メールによる経過報告
研究の進捗状況を報告書として定期的にメール送付します。撮影された動画が配信された折には、その閲覧方法も案内します。
個数無制限
14人が支援
¥5,000
オリジナル年縞マスキングテープと高画質動画
メールによる報告書に加えて、先端の年縞研究者たちが本気の遊び心で作ったマスキングテープをお送りします。絵柄は、水月湖の年縞堆積物の高精細写真を原寸大で使用しているため、きわめて高いリアリティーがあります。ちなみに、三方五湖の道の駅などで売られている「年縞マスキングテープ」とはまったくの別物で、年縞博物館などでも販売していない限定品です。マスキングテープのパッケージには、絵柄に採用された年縞の詳細な年代情報が記載されています。
また上記に加えて、湖底を撮影した高画質動画のダウンロードサイトのURLと、ダウンロードに必要なパスワードをご案内します。湖底のビデオ映像はYouTubeなどで公開する予定ですが、公開される動画の画質には制限があります。ぜひオリジナルの高画質動画をお楽しみください。
(注:高画質動画のお届けは、プロジェクトが完了した2020年12月以降になります)
残り488個
12人が支援
¥10,000
オリジナル年縞ジグソーパズルと、動画のエンドロールにお名前を掲載
年縞研究者たちの苦悩を体感してください!
縞模様の特徴に注目し、照らし合わせ、数える。年縞研究者たちの日常です。この砂を噛むような作業の手応えを味わっていただくために、原寸大の年縞をジグソーパズルにしました。若手の年縞研究者の中には、これを28分で完成させる猛者もいます。ちなみに私(中川)は、まだ40分を切ったことがありません……。
ジグソーパズルの枠には、絵柄に採用された年縞の詳細な年代情報が記載されています。
また上記に加えて、ご希望される方につきましては、撮影された動画のエンドロールにお名前を掲載します。
(注:動画のお届けは、プロジェクトが完了した2020年12月以降になります)
こちらには以下のリターンも含まれます。
・メールによる経過報告
・高画質画像配信サイトへのアクセス権
・年縞マスキングテープ
残り478個
22人が支援
¥30,000
お名前入りサイン本贈呈 + 特別セミナーご招待(ネット参加も可)
私(中川)の著書『人類と気候の10万年史』に、支援者の方のお名前と私の直筆サインを入れてお届けします。また、福井県の年縞博物館と、立命館大学の東京キャンパスでそれぞれセミナー形式の講演会を開催し、どちらかにご招待します。日付はこちらで指定させていただきますが(福井は週末の昼、東京は平日の夜を予定しています)、ご来場が難しい方は、ネットで参加していただくことも可能です。
ご自身の交通費は別途ご負担をお願いします
こちらには以下のリターンも含まれます。
・メールによる経過報告
・高画質画像配信サイトへのアクセス権
・年縞マスキングテープ
・年縞ジグソーパズル
・エンドロールへのお名前の記載
残り37個
13人が支援
¥70,000
ロボットの投入に立ち会う権利
水中カメラは、冬休みのシーズンを目標に水月湖に投入する予定です。その作業に実際に立ち会っていただく権利です。人数が少ない場合は(3名程度)調査用の船に同乗していただけますが、多い場合には観光船をチャーターし、そちらに乗っていただくことになります。その場合、すこし離れた場所からの見学になることをご了承ください。
日付はこちらで指定させていただきますが(平日の昼を想定しています)、ご来場が難しい方にはネットで参加していただくか、現場で撮影した記録映像をお届けします。
現地で参加される場合、ご自身の交通費は別途ご負担をお願いします。
こちらには以下のリターンも含まれます。
・メールによる経過報告
・高画質画像配信サイトへのアクセス権
・年縞マスキングテープ
・エンドロールへのお名前の記載
・サイン本贈呈
・特別セミナーご招待
残り28個
2人が支援
¥140,000
水月湖化石花粉プレパラート(本物!)
水月湖研究プロジェクト全体のリーダーである中川が、イギリスのニューカッスル大学を拠点に研究活動をしていた時代に、水月湖の年縞の中から自ら抽出し、じっさいに分析をおこなった化石花粉サンプルの、正真正銘の本物です(直筆サイン入りの証明書を添付します)。
すぐに顕微鏡観察できるように、あらためてプレパラートを作成してお届けします。プレパラートには、水月湖の年縞の計数に基づいて決定された詳細な年代と、中に含まれる化石花粉の種類と比率のリストが付属します。
こちらには以下のリターンも含まれます。
・メールによる経過報告
・高画質画像配信サイトへのアクセス権
・年縞マスキングテープ
・エンドロールへのお名前の記載
・サイン本贈呈
・特別セミナーご招待
残り14個
6人が支援
¥210,000
お食事つき個人ガイドツアーにご招待
年縞博物館(福井県若狭町)、または、立命館大学古気候学研究センターの実験室(滋賀県草津市)に個人的にご招待します(滞在時間は1時間程度を想定しています)。また、もしよろしければランチもご一緒させてください。
ご自身の交通費は別途ご負担をお願いします。
こちらには以下のリターンも含まれます。
・メールによる経過報告
・高画質画像配信サイトへのアクセス権
・年縞マスキングテープ
・エンドロールへのお名前の記載
・サイン本贈呈
・特別セミナーご招待
・水月湖化石花粉プレパラート(本物)
残り5個
0人が支援
¥1,000,000
水月湖年縞プロジェクトメンバー全員のサイン色紙
今年の二月、
こちらには以下のリターンも含まれます。
・メールによる経過報告
・高画質画像配信サイトへのアクセス権
・年縞マスキングテープ
・年縞ジグソーパズル
・エンドロールへのお名前の記載
・サイン本贈呈
・特別セミナーご招待
・水月湖化石花粉プレパラート(本物)
・お食事つき個人ガイドツアーご招待
残り2個
1人が支援
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