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情報科学

甘葛(あまづら)を復元し『枕草子』『今昔物語集』に登場した究極古代スイーツを作る

芥川龍之介の名作にも書かれた古代の究極のデザート「芋粥」に使われた幻の甘味料「甘葛」の正体の究明と調理の再現に挑みます。

神松幸弘(立命館大学)
これまでに集まった金額
プロジェクト成立
¥2,679,000
267.9%

サポーター

71人

募集終了

このプロジェクトは、までに目標金額の¥1,000,000が集まれば成立します。

 

失われた幻の甘味料「甘葛」

砂糖が日本に伝来したのは754年。唐の高僧・鑑真によるものとされています。しかし、砂糖が広く口にされるようになるには、鎌倉時代以降の対外貿易の拡大まで待たねばなりませんでした。

ですが、古代の日本人もおいしいスイーツを食べていました。当時の日本には「甘葛(あまづら)」という甘味料があったのです。

甘葛は多くの古典籍にたびたび登場しています。たとえば芥川龍之介の名作『芋粥』のもととなった『今昔物語集』『宇治拾遺物語』の説話には、甘葛で煮た芋粥が饗宴のご馳走だと記されており、飽くほど食べたいと望む貴族が登場しています。

さらに『枕草子』では、夏に氷室から出された氷に甘葛をかけるかき氷が「あてなるもの(上品で雅なもの)」として登場しています。

貴族社会における優雅な生活文化を演出する上で、甘葛はとても重要な存在でもあったのです。

 ▲清少納言著『枕草子』四十七段「あてなるもの」(写本)国文学研究資料館所蔵 本文一行目の後半から「削りひにあまづら入れて新しきかなまり(碗)に入れたる」と書かれている。

▲藤原清香(七条文堂)著『甘葛考』国立国会図書館所蔵(写本)清香が甘葛の原料と考えた野生ブドウのスケッチが描かれている。

ところが中世以降、砂糖が普及していくと記録から甘葛は消えていきます。江戸時代になると、完全にその存在は失われてしまいました。いまとなっては、その原料や製法もいっさいわからなくなってしまったのです。

 

甘葛を現代によみがえらせる挑戦

この甘葛は果たしてどのようなものだったのでしょう。それを知るために、古代から江戸期までの古文書と近・現代の先行研究を精査した結果、有力な原料として3つの候補まで絞り込むことができました。それは「アマヅル樹液」「アマヅル果実」「ツタ樹液」です。

続いて野外調査によって、22種の樹種を調べ、糖度の高い樹液だけを採取。その樹液サンプルから、高速液クロマトグラフィーによる糖およびアミノ酸組成の定量分析を試みました。


▲甘葛の原料候補として分析した植物種群の一部

▲複数種の樹液サンプルから抽出された甘葛シロップ

その結果、文献調査によって絞られた3つの候補すべてが甘葛である可能性が出てきたのです。

 

みなさんからのご支援で実現したいこと

今回のプロジェクトでは、甘葛の原料と考えられる3つの候補すべてから実際に甘葛の復元を試みます。そして成分をすべて確かめたうえで、幻の甘味料「甘葛」を用いた古代のスイーツを再現します。

古文書を紐解くことはもちろんですが、古代の調理法・道具に即した調理実験を積み重ね、甘葛を用いた調理法の細部を解明していきます。まさに平安期の究極のスイーツと言える「芋粥」には、その調理法について文献上に未だ疑問な点も多く、実験を積み重ねることが必要ですが、それには研究者の力だけでは不十分です。京都にある立命館大学だからこそできる利点も活かし、古代の料理や宮廷料理に精通したプロの料理人と協働し、研究を進めてまいります。

ご支援いただくみなさまにも、是非私たちと一緒に”甘葛”を味わい、この研究を成就することに協力していただきたいと思います。申し上げるまでもないことですが、甘葛は世界中探してもどこにも販売しておりません。この機会はたいへん貴重であり、私たちも全力で返礼の甘葛をご提供いたしたいと張り切っておりますので、是非多くの皆様方より、奮ってご支援いただけますことを願っております。

 

甘葛の味は?

甘葛の味について興味をもたれる方もおられることでしょう。試食をしていただいた方の感想は様々です。「蜂蜜のよう」「べっこう飴のよう」など他の甘味に似ていると言う方や、「上品でさっぱりした甘味」「独特の風味がある」「アクがなくすっきりしている」と表現された方もいらっしゃいます。アマヅルとツタでもずいぶんと風味が異なり、好みも別れます。これは自分の舌で確かめてもらうより他ありません。ご寄附をいただいた方への返礼品に甘葛の味を体験できるものをいくつか用意しております。是非、味わってみてください。

 

【研究計画】

※プロジェクトの進行状況により変動いたします。

2021年1月 クラウドファンディング挑戦

2021年3月 江戸期における甘葛研究に関する古文書の直筆文書の確認。

2021年5~7月 収集した樹液・果実の成分分析。分析により得た各種の糖およびアミノ酸組成による、人工的な甘葛再現実験。「芋粥」の再現について、実験考古学的な検証。

2021年7月~ 支援者へのリターン提供の開始(返礼品によって、時期が異なります。詳細はリターンの説明をご確認ください)。

 

【1年後の研究成果のイメージ】

中学、高等学校でも馴染みある古典にも登場しながら未だ不明瞭な「甘葛」について、より具体的な知見をまとめ、発信していきます。その成果を通じて、人文科学と自然科学の融合研究の魅力を伝えることができればと考えております。

また、甘葛の原料となる植物を栽培し、生産・加工・商品化・集客へと第6次産業へと発展させるための技術開発も進めていく計画もしています。甘葛が再び日本の食文化の中で脚光を浴びることを期待しています。中山間地域における産業振興へと発展する夢も描いています。ぜひ、多くの方々からの応援をお待ちいたしております。

 

【これまでの研究過程および実績】

これまで私たちは、立命館大学と国文学研究資料館との共同研究によって、甘葛の原料の究明について異分野融合(生物化学×国文学)の共同研究を進めて参りました。                                 

研究課題:「料理・調味料の復元と活用に関する研究」
研究事業主体:国文学研究資料館異分野融合共同研究:歴史的典籍NW事業 異分野融合共同研究(和食と伝統医学の研究)https://www.nijl.ac.jp/pages/cijproject/research_006.html#section007
研究代表:神松幸弘・立命館大学 立命館グローバル・イノベーション研究機構
研究期間:平成 28(2016)年 7 月~令和2(2020)年 3 月


主な研究成果:研究成果の発信は主に以下のように進めてきました。

  1. 公開シンポジウム:古代の甘味「あまつら」の復元とその試食~清少納言も愛でたあまつらかき氷の再現pdf in 立命館グローバル・イノベーション研究機構シンポジウム「超長期的視点から見た人口・環境・社会」2019.08.02~08.03
  2. 公開シンポジウム:「文学と化学分析から見た、日本の食文化における断絶と継承」pdf  in 国文学研究資料館2階 オリエンテーションルーム 2019.02.08
  3. 学会発表:「日本古代の甘み「甘葛煎」の原料植物について」和食文化学会第2回大会、2019年10月20日、鶴岡市 https://washoku-bunka.jp/meeting2.html
  4. 論文発表:「古代の甘味「甘葛煎」の原料に関する考察」環太平洋文明研究4号p89-109,2020.3 https://www.yuzankaku.co.jp/products/detail.php?product_id=8639
  5. その他の報告:「古代の甘味料"あまつら"の復元」―文と理の知恵の蔓を綯い交ぜて― ふみ 第9号(2018年1月発行)https://www.nijl.ac.jp/pages/cijproject/newsletter_fumi_vol9.html
  6. その他の報告:「古代の甘味 あまつら の復元とその試食」ふみ第13号(2020年1月発行)https://www.nijl.ac.jp/pages/cijproject/newsletter_fumi_vol13.html
  7. 新聞掲載:「平安の「甘み」どんな味?樹液で「あまづら」再現 立命大で3日試食会」京都新聞朝刊、2019年8月1日
  8. 新聞掲載:「文化「あてなる」あまづら 幻の味」日本経済新聞朝刊、2020年9月22日https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64016890Y0A910C2BC8000/
  9. ネットメディア掲載:「古代日本が愛した幻の味よ再び「あまづら」復元への挑戦」科学技術振興機構(JST)、Science portal、2021年1月4日https://scienceportal.jst.go.jp/gateway/clip/20210104_g01/

この研究活動をこのまま終えるのはもったいないと私たちは考えています! もっと、継続してこそ、学問社会にも実際の社会にも役立つ研究に醸成できるはずだからです。どうか、私たちとともにこの研究を推進していきませんか。ご支援のほど、よろしくお願いいたします!!!


【ご寄附をいただくみなさまへのお願い】

領収書の発行について

領収書については、ブルーバックスアウトリーチでの募集終了後、手続きを経て、学校法人立命館に寄附金が入金されたのちに、ご送付となります。 領収書の発行日は、お申込受付日やカード決済口座からの振替日ではなく、学校法人立命館への入金日となりますので、あらかじめご了承ください。 本プロジェクトが成立した場合の入金日は、2021年3月下旬の予定です。

お知らせ

多くのみなさまからのご支援お待ちいたしております! 募集期間中のプロジェクトの進展は随時お知らせしていきます!

よくある質問

甘葛に対する食品アレルギーはありますか?
これまで古典籍を調査した結果では、そうした症例は確認できていません。
またシロップやサンプルは、徹底的な分析により有毒成分が含まれていないことを明らかにし、研究者が実際に試食した上で提供いたします。
ですがアレルギー体質の方は、試食をお控えいただくことをおすすめします。
「寄附型」プロジェクトとは、どのようなものですか?(枠組み/個人情報の取り扱いなど)
ブルーバックスアウトリーチ事務局がお答えします:「寄附型」プロジェクトでは、起案者である研究者の方が呼びかけ人となってプロジェクトを行い、所属している大学等の基金などへの寄附を呼びかけるプロジェクトです。ブルーバックスアウトリーチでお支払いいただく支援金は、そのまま大学等の研究機関の寄附受付口座などに届けられます。
こうしたプロジェクトでは、「寄附型」ではないプロジェクトとは異なり、支援者のみなさんの寄附を受け付ける(寄附契約を結ぶ)のは、各大学等の寄附基金になり、領収書の発行や、リターンの発送なども、原則として各大学等から行われます。
これらの寄附、および各大学等が行うリターンなどの業務のため、ブルーバックスアウトリーチは、必要な個人情報を、大学等と共有させていただきます。
より詳しくは、「利用規約(寄附型プロジェクトに関する特則)」をご参照ください。
志に共感し、法人から寄附をしたいと思っていますが、可能でしょうか?
ブルーバックスアウトリーチ事務局がお答えします:ブルーバックスアウトリーチは、基本的には個人からの寄附に対応させていただくことを中心にサービスを提供していますが、とくにご連絡をいただいた場合は、可能な範囲で別途、ご対応させていただいております。まずはページ下部の「お問合せ」からフォームにてお問合せください。
支払い方法はクレジットカードのみのようですが、他の支払い方法には対応できませんか?
ブルーバックスアウトリーチ事務局がお答えします:本サービスは、クレジットカード会社が提供する「与信枠確保」の仕組みを利用し、プロジェクトが成立するまではお引き落としを発生させずに、支援を表明いただける機能を提供しています。
このため、基本的にはクレジットカード以外の決済手段には対応しておりませんが、一部条件がそろった特別な場合には、銀行振込での支援もお受けすることができることがあります。お手数ですが、まずはページ下部の「お問合せ」からフォームにてお問合せください。
また、「クレジットカードのように使えるカード」として提供されているバンドルカードについては、クレジットカードとは機能が異なるため、プロジェクト終了日から40日未満の場合しか、支援をいただくことができません(手続きは可能ですが、40日以上募集期間があるうちにバンドルカードで支援をいただいても、募集の終了前にキャンセル扱いになる可能性があります)。また、提供会社によって規則が異なるため、すべてのバンドルカードをご利用いただけるかどうかは、本サービスでは保証しておりません。あらかじめご了承ください。