マヤの遺跡に眠るシマシマの地層を掘り抜いて、文明衰退の謎に迫る!
1年に1枚刻まれる縞模様の地層(年縞)から、古代マヤの人々が経験した気候変動、彼らを襲った異常気象の歴史をひも解きます。
サポーター
44人
募集終了
このプロジェクトは、までに目標金額の¥2,000,000が集まれば成立します。
マヤ文明とは
マヤ文明は、メキシコのユカタン半島を中心とする地域で栄えた古代文明です。古代のマヤの人たちは、文字や暦、天文学などを高度に発達させて、独自の文明を築きました。マヤ文明は、ほかの古代文明と違って大きな河川に依存することもなく、乾燥地から湿ったジャングルまで、さまざまな環境に適応することができました。
グアテマラのティカル遺跡。ジャングルにそびえるピラミッドは誰の目にも印象的だ。
高度な技術を持ち、多様な環境に適応できる強靭な文明は、そう簡単には衰退しないように思えます。でも実際には、マヤ文明は、深刻な衰退を何度も何度も経験してきました。
その原因として、人口過剰、環境破壊、戦争や気候変動が注目されています。多くの専門家たちは、これらの要因が複雑に絡み合うことで衰退が進んだと考えています。状況が悪化する中、干ばつが文明衰退のとどめを刺したと考えている専門家もいますが、まだこの論争に決着はついていません。実際のところ、マヤ文明の衰退に、気候変動はどれほどの影響をおよぼしたのでしょう?
マヤの遺跡に眠る手がかり
2019年の3月、3年間の予備調査を経て、私たちはついにその手がかりを発見しました! サン・クラウディオというマヤの遺跡の中にある湖に、特別な地層があったのです。何が特別かというと、この地層には、とても薄くて美しい縞模様が刻まれていたのです。
メキシコで年縞探しの調査中。私たちのフィールド調査はいつも手作り。船の転覆を防ぐためのフロートは、現地のスーパーで買ったワニの浮き輪(約800円)。これがあればワニ(本物)に襲われなくてすむかも……? 戦友のワニ(浮き輪)はプロジェクトのロゴマークになりました。
サン・クラウディオ遺跡。あまりにも理想的な形の湖がすぐそばにあったため、メンバー全員が湖に夢中に。結果、遺跡の写真はおざなりに。ここに文明を築いた古代のマヤ人も、この湖に惹きつけられたのだろうか。
サン・クラウディオ湖。運命の日。
3年間の探索を経て、奇跡の地層をついに発見! すべての苦労が報われる瞬間です。ちなみに、この時の調査は湖底の泥を採取する道具が現地に届かず、失意のどん底からのスタートでした(写っているのは、手に入る材料で慌てて作ったサンプリング道具)。
サン・クラウディオ湖に眠っていた年縞。左側が2019年。右側が西暦1320年頃にできた縞。上部(左側)の黒い層は、近年の森林伐採による影響。
予備分析の結果、シマシマの1枚1枚は1年の時間に相当することがわかりました。これは年縞(ねんこう)と呼ばれる、いわば土の年輪のようなものです。さらに詳しく調べると、白い縞は乾いた季節(乾季)、黒い縞は湿った季節(雨季)にできたこともわかってきました。
つまり、このシマシマを1枚1枚数えていけば、1年ずつ時間をさかのぼっていくことができます。そして、縞に含まれている物質を細かく分析していけば、古代のマヤ人がある年のある季節に経験した、干ばつや大雨のような異常気象の記録まで取り出すことができるのです。
2020年3月、いよいよ私たちの挑戦が始まります。
この地層を手作業で掘り抜いて、マヤ文明の歴史を完全にカバーする年縞を手に入れたい。そして、古代のマヤ人が経験した、気候変動・異常気象のすべてを明らかにしたい。その記録をマヤの正確な暦に裏打ちされた歴史と比べることで、文明衰退の謎に迫りたい。この目標を達成するため、最高のチームが集結しました。
しかし、時には厚さ300ミクロン(0.3㎜)にも満たないような、薄いシマシマを顕微鏡の下で1枚1枚数え上げ、さらにそこに含まれる異常気象の証拠を漏らさず分析するためには、途方もない時間と労力、そしてお金がかかります。つまり、みなさんのご支援がどうしても必要なのです。
ぜひ私たちと一緒に、マヤ文明衰退の謎を解き明かす旅に出かけましょう。応援、よろしくお願いします!
【ご寄附をいただくみなさまへのお願い】
1: 領収書の発行について
領収書については、ブルーバックスアウトリーチでの募集終了後、手続きを経て、学校法人立命館に寄付金が入金されたのちに、ご送付となります。
領収書の発行日は、お申込受付日やカード決済口座からの振替日ではなく、学校法人立命館への入金日となりますので、あらかじめご了承ください。
本プロジェクトが成立した場合の入金日は、2020年1月下旬の予定です。
2: リターンの性質について
「フィールド調査へのご招待」を含め、リターンの内容は、
よくある質問
- 「寄附型」プロジェクトとは、どのようなものですか?(枠組み/個人情報の取り扱いなど)
- 志に共感し、法人から寄附をしたいと思っていますが、可能でしょうか?
- 支払い方法はクレジットカードのみのようですが、他の支払い方法には対応できませんか?
北場 育子
立命館大学
古気候学研究センター
准教授/副センター長
研究内容
古気候学、環境考古学、宇宙気候学
自己紹介
「人間の時間」と「地質学の時間」の接点を見つけるべく、年縞(ねんこう)と呼ばれるシマシマの研究に着手。どこまでも理想を追求できてしまう究極の泥にまみれて早6年。文字通り、泥沼にハマって抜け出せなくなる。マヤ文明の盛衰と気候変動の関係、超新星爆発と地球の気候のつながりなどなど、「気候」にまつわる謎解きに挑戦中!
プロジェクト数
1件
リターン
¥2,000
プロジェクトロゴ入りクリアファイル + SCL通信(メール配信)
サン・クラウディオ(SCL)年縞プロジェクトのロゴマークが入ったオリジナルのクリアファイルです。
私たちの調査のシンボルであるワニ。サン・クラウディオ湖にも体長3メートルのワニが潜んでいるとか、いないとか……? ワニの背中には、湖に眠る年縞、それを見守ってきたマヤのピラミッド、それを照らし続けてきた月がデザインされています。じつは、マヤの世界観では、世界はワニの背中に支えられているんですよ。ワニの周りにちりばめられたキラキラは、年縞に含まれる葉っぱや小さな化石。私たちに過去を教えてくれる、大切な宝物です。私たちの想いが凝縮されたロゴマーク。みなさんにもかわいがってもらえますように!
上記に加え、調査や研究の経過など、プロジェクトの最新ニュースをメールでお送りします(不定期配信)。私たちの冒険をぜひ、最後まで見守ってください!
個数無制限
5人が支援
¥5,000
プロジェクトロゴ入りフィールドノート
地質学の調査にフィールドノートは欠かせません。プロジェクトのロゴマークが入ったフィールドノートを作りました。調査隊のメンバーも、もちろん調査に持って行きます。本物のワニには出会いませんように……。
このご支援には以下のリターンも含まれます。
・SCL通信(メール配信)
・ロゴ入りクリアファイル
残り486個
14人が支援
¥10,000
サン・クラウディオ年縞ジグソーパズル
2020年3月の調査で掘り上げる年縞を104ピースのジグソーパズルにします。
ひと足先に作られた水月湖年縞ジグソー(写真)は、縞を数えた張本人も投げ出してしまうほどの難易度。パーフェクトな年縞の掘削とジグソーの完成をお楽しみに!
このご支援には以下のリターンも含まれます。
・SCL通信(メール配信)
・ロゴ入りクリアファイル
・ロゴ入りフィールドノート
残り85個
15人が支援
¥30,000
年縞博物館 企画展 展示解説 + あなたの名前をマヤ文字で書いてみよう!
2021年、マヤの年縞をテーマにした企画展が年縞博物館(福井県)で開催されます。2020年3月の調査で掘り上げる年縞(実物)をステンドグラスにして、この企画展でお披露目します。同時に、最新の研究成果も紹介します。
この企画展に、みなさんをペアでご招待。プロジェクトリーダーの北場がご案内します。ガイドツアーの後には、みなさんのお名前をマヤ文字で書いてみる体験もご用意しています。高度に発達したマヤ文字の美しさや奥深さを少し身近に感じてもらえたら嬉しいです。
※企画展開催中の週末を予定しています。小学生以上で、会場までご自身の責任で往復できる方が参加可能です。
※現地までの交通費は、各自ご負担ください。ご来場が難しい方は、後日配信する動画(2週間限定で公開予定)をご覧ください。
このご支援には以下のリターンも含まれます。
・SCL通信(メール配信)
・ロゴ入りクリアファイル
・ロゴ入りフィールドノート
・SCL年縞ジグソーパズル
残り17個
3人が支援
¥50,000
シマシマの年代が出る瞬間を研究者と一緒に目撃しよう!
サン・クラウディオ湖の底で何百年、何千年も眠り続けてきた葉っぱ。この葉っぱに含まれているある種の炭素は、葉っぱが落ちた瞬間から、まるで砂時計の砂のように減っていきます。つまりその時間をさかのぼることで、葉っぱが落ちた年代、その葉っぱが挟まっていたシマシマができた年代がわかるのです!
その年代が出るまさにその瞬間を、ラボで私たちと一緒に見守りませんか? 放射性炭素年代のエキスパート大森と、北場がご案内します。親子などペアでご参加可能です。
※2020年8月後半の週末の開催を予定しています。小学生以上で、会場までご自身の責任で往復できる方が参加可能です。
※会場は、東京大学 総合研究博物館 本郷本館です。現地までの交通費は、各自ご負担ください。ご来場が難しい方は、後日配信する動画(2週間限定)をご覧ください。
このご支援には以下のリターンも含まれます。
・SCL通信(メール配信)
・ロゴ入りクリアファイル
・ロゴ入りフィールドノート
・SCL年縞ジグソーパズル
定員に達しました
3人が支援
¥100,000
年縞博物館の企画展でお名前掲載
2021年、マヤの年縞をテーマにした企画展が年縞博物館(福井県)で開催されます。2020年3月の調査で掘り上げる年縞(実物)は、ステンドグラスにしてこの企画展でお披露目します。同時に、最新の研究成果も紹介します。
この企画展の展示で、特別支援者としてお名前を掲載いたします。
このご支援には以下のリターンも含まれます。
・SCL通信(メール配信)
・ロゴ入りクリアファイル、フィールドノート
・SCL年縞ジグソーパズル
・年縞博物館 企画展 展示解説 + あなたの名前をマヤ文字で書いてみよう!
残り2個
3人が支援
¥500,000
年縞に挟まれる葉っぱを洗い出そう!
あなたが洗い出した葉っぱの年代が論文に載るかも……!?
このプロジェクトの成功の鍵を握る正確な年代。サン・クラウディオの年縞から、その鍵となる葉っぱを一緒に洗い出しませんか? ペアでご参加可能です。
※2020年5月23日(土) 13:30~15:30 もしくは 2020年6月14日(日)13:30~15:30 のどちらかを選択してください。
※小学生以上で、会場までご自身の責任で往復できる方が参加可能です。ペアのうち少なくとも1名は、18歳以上の方がご参加ください。
※会場は、立命館大学 古気候学研究センター(滋賀県)です。現地までの交通費は、各自ご負担ください。
このご支援には以下のリターンも含まれます。
・SCL通信(メール配信)
・ロゴ入りクリアファイル、フィールドノート
・SCL年縞ジグソーパズル
・シマシマの年代が出る瞬間を研究者と一緒に目撃しよう!
・年縞博物館の企画展でお名前掲載
残り4個
0人が支援
¥1,000,000
論文謝辞にお名前掲載
私たちの魂のこもった論文の謝辞に、支援者としてお名前を掲載いたします。
年縞から妥協なく情報を取り出し、そのデータを味わい尽くすには、数年の時間を要します。悔いのないデータ、最高の論文を書き上げるまで、どうかあたたかく見守ってください!
このご支援には以下のリターンも含まれます。
・SCL通信(メール配信)
・ロゴ入りクリアファイル、フィールドノート
・SCL年縞ジグソーパズル
・年縞に挟まれる葉っぱを洗い出そう!
・シマシマの年代が出る瞬間を研究者と一緒に目撃しよう!
・年縞博物館の企画展でお名前掲載
残り2個
0人が支援
¥1,500,000
年代測定済みサンプル入りキーホルダー
サン・クラウディオの年縞に挟まっている昔の葉っぱ。
専用アルミケースに入ったままの測定済みサンプルを、
このご支援には以下のリターンも含まれます。
・SCL通信(メール配信)
・ロゴ入りクリアファイル、フィールドノート
・SCL年縞ジグソーパズル
・年縞に挟まれる葉っぱを洗い出そう!
・シマシマの年代が出る瞬間を研究者と一緒に目撃しよう!
・年縞博物館の企画展でお名前掲載
・論文謝辞にお名前掲載
残り1個
1人が支援
¥2,000,000
メキシコでの掘削調査にご招待! マヤの年縞を掘り出す瞬間に立ち会いませんか?
この研究の醍醐味! フィールド調査にペアでご招待します。
・2020年3月7日 ビジャエルモサ国際空港(メキシコ)でお出迎え
・3月8日~10日 サン・クラウディオ遺跡と、遺跡内の湖での年縞掘削に加えて、この地域の重要なマヤ・センター パレンケ遺跡もご案内します。また、2018年に発見されたマヤの遺跡アグアダ・フェニックス(大基壇はマヤ地域で最大の建造物!)を、遺跡の発見者で考古調査団長の猪俣健教授にご案内いただきます(ライブ発掘付き)。
・3月11日 ビジャエルモサ国際空港でお見送り
※ご招待は18歳以上の方に限らせていただきます。
※ビジャエルモサ国際空港までの交通費(往復)および海外旅行保険の保険料は各自ご負担ください。調査隊にご同行中の交通費・滞在費は当方が負担します。
※外務省の海外安全ホームページおよび厚生労働省検疫所のガイドラインをご確認の上、調査への同行をご検討ください。
※フィールド調査へのご参加が難しい場合は、現地の模様を報告したSCL通信の特別版をご用意します。
※このご支援のリターンには「論文謝辞にお名前掲載」に掲載したリターンもすべて含まれます。
残り1個
0人が支援
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