地球科学

BOTTLE to BOTTLEを促進し、資源循環の輪を広げたい!

飲料用ボトルに適した品質のペットボトルを事業者に提供する仕組みを実験し、プラスチック問題に貢献するモデルを提案します。

中村 真悟(立命館大学)
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これまでに集まった金額
¥1,493,000
248.83%

サポーター

39

募集終了

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このプロジェクトは、までに目標金額の¥600,000が集まれば成立します。

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プラスチックをめぐる諸課題 

海洋プラスチック問題、資源枯渇問題など、プラスチックをめぐる問題は社会的に大きくクローズアップされています。その中で脱プラスチックの取り組みも注目されています。他方で、脱プラスチックの取り組みの中には資源循環の全体像をとらえない取り組みやかえって別の環境問題を引き起こすもの、取り組みのやり方しだいではむしろCO2排出量が多くなってしまうもの、考え方は良いが不便さや値段の高さから日常生活に浸透するのは困難なものなどもあり、「脱プラ・代替プラ」であればなんでも良いわけではありません。海洋汚染防止、温暖化対策、資源循環、経済社会の維持。こうした複雑な論点が絡み合っているのがプラスチック問題の難しさです。

日本のPETボトルリサイクルは世界的に見て先進的

日本では2012年頃から、PETボトルの飲料ボトルへのリサイクルが本格化し、2022年段階では年間で消費されたPETボトルの20.2%が再びPETボトル容器に再生されるまでになっています。この背景には、日本の回収率は88%以上と高く、市民・自治体の協力のもとで、キャップ・ラベルがなく、ピュアな容器が集められていること、透明ボトルに統一されていることなどがあります。

またPETボトルをPETボトルにリサイクルする場合、いわゆる石油からPETボトルを生産するのに比べて、CO2削減が期待できます。たとえば全国清涼飲料連合会では、その効果は56〜63%としています。

キャンパスはサーキュラー・エコノミーを教育、実践、発信する拠点になれる!

PETボトルのリサイクルの経済性、環境性などを考えると、ボトル、キャップ、内容物の混ざっていないボトルのみを集めて、運搬し、リサイクルするほうが合理的です。となると、もっとも経済的で環境にも配慮されたリサイクルプロセスの実現には、排出段階での市民の取り組みが重要になります。自治体が集める際には、「キャップを取る、ラベルを剥がす、中を軽く洗う」といった啓蒙活動もあり、うまくいっています。しかし、自販機や駅構内のリサイクルボックス(ゴミ箱ではないんです!)では全くといって良いほどできていないのが実情です。この点に着目して、民間施設経由でも質の良いPETボトルの回収をすための仕組みづくりの構築を私たちのプロジェクトでは目指しています。モットーは「正しい場所で、正しい方法で、PETボトルを手放せば、資源循環ができる」。これを教育機関のキャンパスから発信しようというのが狙いです。本学の大阪いばらきキャンパスは教職員・学生を合わせて7000人規模と、滞在型の拠点で、回収実験の成果と課題が見えやすく、他の拠点(大学・商業施設・住宅施設など)にも応用が期待できます。

これまでやってきたこと、これから実施したいこと

本学の大阪いばらきキャンパスにて、私たちはこれまで回収実験、学内外での啓蒙活動、研修活動を行ってきました。簡易回収機での実験では、きれいなボトルを排出してくれる方、活動に興味をしてくださる方が多数いらっしゃいました。そうした「善意」の協力の輪を広げるには、行動をうながすきっかけ、行動が成果に結びつくという実感が重要だと考えています。この点で正しく手放すことで得られる「もの(エコアクションポイント:環境省所管の環境促進活動)」や「こと(CO2削減効果の数値)」を具体的に提示することで、キャンパス内での取り組みの輪を広げたいと考えています。その仕組みづくりの核となる機器として、専用回収機(リバースベンディングマシーン)を導入するのが今回の提案になります。これはラベル・キャップを剥がして、飲み残しのないボトルだけを回収する仕組みとなっています。また回収したボトルに軽く切り込みを入れて圧縮するため、積載効率を上げる機能もあります。また、この機器はボトル本数もカウントできるため、回収・運搬で発生したCO2発生量の具体化と、石油由来でのPETボトル生産で発生するCO2との比較ができるようになります。

これまでの活動一覧:

  • 実験:大阪いばらきキャンパスにて回収実験(2022.1〜)
  • 学内外のイベントへの参加:
    学園祭、アジアウィークなど(学内)
    イオンモール茨木へのSDGs企画出展(学外)
  • 調査、イベント:回収専用機ベンダーへの視察、リサイクル事業者の見学ツアーの実施

学生団体「BOTTLE to BOTTLEプロジェクト」活動ポスター

 

学内イベントでの出展、活動紹介

 

大阪いばらきキャンパス回収実験の取り組み

 

今回のプロジェクトで目指すこと

①キャンパスを回収拠点とする資源循環モデルづくりをします。

啓発、インセンティブを通じて、資源循環に対する地球市民としての姿勢を伝えます。

②キャンパスでのPETボトルリサイクルのCO2削減効果を検証します。

回収ボトル数、リサイクルのフロー(運搬、リサイクル、販売)の数値化とバージン材の生産でのCO2排出量を比較分析します。

このように、PETボトル容器の循環ループの一拠点化を実現し、ループの環境効果を明確にすることが最終目的です。

一年後の研究成果のイメージ 

本プロジェクトでは一年後の成果として以下のことをイメージしています。

  • 「(ゴミ)を捨てる」から「(資源)を提供する」への学生・教職員の意識の変化
  • PETボトルに限らない様々な捨てられるものへの関心・行動の広がり
  • 循環の効果の「見える化」(CO2削減効果の数値化)
  • 循環を実現する「連携」イメージの具体化

BOTTLE to BOTTLEを促進し、資源循環の輪を広げたい!

今回のプロジェクトは、ビジネスモデルや教育・啓蒙活動からアプローチし、CO2削減効果の「見える化」、資源循環という社会的課題の解決を目指す大学発のチャレンジです。今回のチャレンジは他の大学・施設への応用、他の資源循環への応用も期待できるチャレンジだと考えています。是非とも、その第一歩となる今回のチャレンジへの応援をお願いします。